2010年11月25日木曜日

酒田そして鳥海山麓牛渡川へ

 11月22日 新潟駅万代橋出口近くの富寿司でいつものように生ビール、そして寿司を食しその後特急いなほで酒田へ。途中、すでに稲の収穫を終えた数箇所の田園に、大陸からの白鳥の群れが長旅の疲れを癒していた。
 酒田は七度訪ねているものの、私はいつも鳥海山麓牛渡川や滝ノ浦地区など鳥海山の雪解け水が湧水となり地上に出て来る場所を選び訪ねていた。そんなこともあり今まで一度も酒田市内を見学したことのないある意味では異常な旅をしていた。
 しかし今回、ガイドを地元の阿部さんにお願いしこの街の素晴らしさを教えていただくことにした。ただ冬の日没が早いという時間的な制約から本間美術館と山王くらぶに絞ってみた。本間美術館は北前船での北国貿易、そして金融業で巨額の富を築き上げた本間家別邸として数多くの賓客をもてなして来た言わば迎賓館だ。
昭和天皇が皇太子の時に訪れている。現在西郷隆盛や副島種臣等、本間家が所蔵している書画を展示していた。次回酒田訪問時には本間家本邸や山居倉庫、日和山公園等を案内していただくことで阿部さんとは別れて行きつけの居酒屋「ゆた華」に移動し、地元のガサ海老に舌鼓を打った。
 翌23日は羽越線吹浦駅から徒歩20分のところにある牛渡川へ。そこで思いがけず興奮が待っていた。この牛渡川を訪れて7年になるが、今回初めて鮭の遡上を確認出来たのだ。

   鮭帰る 母なる川よ 牛渡り

 そもそも何の変哲もない長閑な田園の中にあるこの川に興味を持ったのは、以前NHKの番組の中で、この川に水中カメラを入れ海にいる筈のカレイが泳いでいたからだ。淡水に海の生物がなぜ?という疑問からであった。その後どうしても一度見て見たくて月日を重ねること7年が経過してしまった。いまだにカレイは確認出来ていないものの今回の旅はそれに変わる最高の感動を残した。

2010年11月14日日曜日

晩秋の諏訪へ

 11月12日 新宿発11:00あずさ13号で上諏訪へ。宿泊先の「鷺乃湯」に隣接する片倉館は敷地内の木々がすっかり色づき、この季節ならではの趣を見せていた。
この片倉館は、片倉財閥2代目社長片倉兼太郎が欧米視察旅行の際、これら諸外国が文化福祉施設充実を図っていたことに感化され、帰国後、諏訪の地にそうした市民が喜ぶ施設が出来ないものかと思案。1929年ついにヨーロッパ中世風のレトロな大浴場(千人風呂)が出来上がった。現在では観光客や市民の憩いの場になっている。
 
 広々とした諏訪湖は晩秋の日差しがすでに傾き、シベリアから多くの渡り鳥が飛来し羽を休めていた。
   雁が音の 響きや悲し 諏訪の湖
   諏訪の湖 水面蹴散らし 鳥立ちぬ

 翌日は諏訪大社へ。ここでは現在下社が改装中で、上社には七五三詣での着飾った多くの子どもたちが、父親のカメラの前で緊張気味にポーズを取っていた。
その後私は近くのオルゴール博物館「奏鳴館」で指導員のもと、オルゴールを作ったり時の科学館「儀象堂」で説明員の説明に耳を傾けたりした。特に私が60歳を過ぎて時間の経過、すなわち「時」の大切さに気付いていたのでこの儀象堂では妙に納得したりした。こうして雨にも降られず秋の一日を楽しく過ごすことが出来た。