2010年9月27日月曜日

陸中海岸の旅

   俯瞰する 北山崎は 秋匂ふ  
9月25日台風の北上と偶然重なって私も進路を北へ。
目的地は陸中国立公園最良のビュー・スポット北山崎だ。三陸鉄道の田野畑駅から村営乗り合いタクシーで目的地へと向かう。乗り合いといってもこの日はあいにくの風雨のため、タクシーは私の専用となった。
 北山崎はまさに絶景。まだ紅葉こそしていないものの、周囲の草木、そして海の色もすでに秋を思わせた。夜は雨の宮古で、私の長年の鼻感?を頼りに探し当てた感じの良い居酒屋で英気を養った。主人は「三陸鉄道を勝手に応援する会」の宮古支部長だった。本部は盛岡にあるらしい。私は旅人、そして鉄道ファンでもあるので些少のカンパをして来た。
翌日は石川啄木がこよなく愛したという陸前高田の高田松原を2時間かけ(ローカルゆえ次の列車は3時間後)ゆったりと散策した。前日とは打って変わって夏のような日差しになったが、やはり吹き渡る潮風は秋だった。現に赤とんぼが群れていた。
 日本にはもうこうした白砂青松の海は数えるほど。悲しいことだ。私が生まれたのが瀬戸内海。大小様々な小島が点在し、多くが白砂青松でクマゼミがうるさいほど鳴いていたのを記憶している。そんな幼少の頃のことをぼんやりと思い浮かべていると、思いがけず私の前を近所の人だろうか、幼子を背負った女性が過ぎ去って行った。まるで映画のワンシーンのように思え、しばし余韻に浸った。今回の旅はそんな心に残る旅であった。