2012年3月28日水曜日

春の夢

長崎は 異国の香りや 春の夢
  
  今から百五十年前のいわゆる幕末、ここ長崎は唯一、外国との接点であったことから、向学心に燃えた幾多の志士がやって来た。坂本龍馬、高杉晋作、伊藤博文らも花街丸山にある料亭「花月」で酒を酌み交わしながら国家百年の計を練った。そうしたかれらの心情に思いを寄せて詠んだもの。

 私も何度となく足を運んだ長崎の街。グラバー邸付近の高台から見下ろす町並みは、後々まで印象に残るものだ。ましてや志士たちの国を憂えた真情を思う時、体の中に熱いものがこみ上げて来る。翻って現在の日本はどうだろう。政治、経済、震災復興と、どれをとってもある意味では国家存亡の時。しかし政治は停滞し、経済は危機的だ。そうした状況下でマスコミさえ機能しない。政治家は信念がなく注目(人気)を集める集団に烏合の衆と化す。こんな日本で良いのか、国民一人一人が原点に立ち返って考えて欲しい。