行楽日にも関わらず車社会を実感せざるを得ないほど、私が乗車したJRの車両にはほんの数人しか乗っておらず、駅前の観光案内所の担当者の話でも来客はほとんどないとのこと。ただ、西山荘は駐車場に数十台が駐車していて、広い園内は年配の女性グ
ループや、家族連れで混雑していた。入園料650円。目的の黄門様の住居は奥まった所にありひっそりとした佇まいで、茅葺屋根には珍しいことに、菖蒲の花が数本紫と白の花を付けていた。どこからか種が飛んで来たのだろうか。私たちの知る黄門様の日本漫遊は後の創作話であろう。ただ、当時江戸城への登城や駿府、日光参詣などの際の話に尾鰭がついたものなのか、また大日本史編纂の時、ある程度そうした実測が伴ったものか定かではない。
この常陸太田周辺ではすでに田植えが始まっていて、水を張った田では蛙の鳴き声が響いていた。周囲緑一色だ。大地の躍動を感じさせるのもこの頃で、私の一番好きな季節だ。