11月22日 新潟駅万代橋出口近くの富寿司でいつものように生ビール、そして寿司を食しその後特急いなほで酒田へ。途中、すでに稲の収穫を終えた数箇所の田園に、大陸からの白鳥の群れが長旅の疲れを癒していた。
酒田は七度訪ねているものの、私はいつも鳥海山麓牛渡川や滝ノ浦地区など鳥海山の雪解け水が湧水となり地上に出て来る場所を選び訪ねていた。そんなこともあり今まで一度も酒田市内を見学したことのないある意味では異常な旅をしていた。
しかし今回、ガイドを地元の阿部さんにお願いしこの街の素晴らしさを教えていただくことにした。ただ冬の日没が早いという時間的な制約から本間美術館と山王くらぶに絞ってみた。本間美術館は北前船での北国貿易、そして金融業で巨額の富を築き上げた本間家別邸として数多くの賓客をもてなして来た言わば迎賓館だ。
昭和天皇が皇太子の時に訪れている。現在西郷隆盛や副島種臣等、本間家が所蔵している書画を展示していた。次回酒田訪問時には本間家本邸や山居倉庫、日和山公園等を案内していただくことで阿部さんとは別れて行きつけの居酒屋「ゆた華」に移動し、地元のガサ海老に舌鼓を打った。
翌23日は羽越線吹浦駅から徒歩20分のところにある牛渡川へ。そこで思いがけず興奮が待っていた。この牛渡川を訪れて7年になるが、今回初めて鮭の遡上を確認出来たのだ。
鮭帰る 母なる川よ 牛渡り
そもそも何の変哲もない長閑な田園の中にあるこの川に興味を持ったのは、以前NHKの番組の中で、この川に水中カメラを入れ海にいる筈のカレイが泳いでいたからだ。淡水に海の生物がなぜ?という疑問からであった。その後どうしても一度見て見たくて月日を重ねること7年が経過してしまった。いまだにカレイは確認出来ていないものの今回の旅はそれに変わる最高の感動を残した。