2008年12月7日日曜日

絶滅危惧種「シモツケコウホネ」咲く里へ(栃木県日光市小代)

 過日、念願叶い絶滅危惧種「シモツケコウホネ」の咲く里へ行って来た。
当然季節はずれなので花は見ることは出来なかったが「カワワカメ」と呼ばれるコウホネの葉は、その名のとおり褐色の、まるでワカメのような葉を水中に伸ばしていた。例年六月中旬、水面から直立した茎を10センチほど出し、その先端部に濃い黄色い花を咲かせる。(写真参照)
寿命一週間、花期は六月中旬から十月中旬まで約4ヶ月。その間次々と新しい花を付ける。その後コウホネは種を付け文字通り「河骨」となって水底に眠る。種は流れてしまうため目にする機会はほとんど無いという。今回、花を見られなかった代わりに、その種を保存会の柴田さんが手に取って見せて下さった。(写真参照)
 この小代地区は、圃場整備事業が進行中とのことで自然と人間社会の調和がどう保たれていくのかが今後の課題となる。
 何の変哲も無い田畑のわずか1メートルにも満たない用水路に自生しているコウホネ。それこそ気付かず通り過ぎてしまいそうだ。また、この用水路には沢蟹やホトケドジョウ、アカハライモリ、カワニナ、更には綺麗な水の証明ともいえるバイカモが夏、水中に白い可憐な花を付けるなど貴重な動植物が生息している。つい今しがた私の目の前を大きな雄の雉が田んぼの中を駆け去った。
 また、近くにはゆっくり野趣を堪能できる小来川温泉もあり環境は抜群。
昼に小代行川庵で食したソバは絶品で特にかき揚げ天の美味しかったことは記憶に残る。ここは旧加藤邸(わが国財界のリーダーで吉田内閣の経済最高顧問として活躍された加藤武男翁の邸宅)を日光市に寄贈したもので、屋敷内には近くの行川から引いた池があり、折りしも寒風に飛ばされた紅葉が色鮮やかに水面に浮遊していた。