2009年7月27日月曜日

日本の原風景を訪ねて(新潟県・松之山)

 人間疲れると、心癒されるものが欲しくなりそれが人によっては音楽であったり、温泉であったり、ある日見た風景であったりする。  7月25日再び私は数年ぶりに新潟県津南にやって来た。周辺には松之山温泉、天水島の棚田、樹齢80年の「美人林」というブナ
林、また、ここが日本一の積雪地である証、幽玄な空間そして滾々と湧き出す水の竜ガ窪がある。また、30万年もの時間が作り上げてきた造形の美、日本一の河岸段丘や広い農地を活用したどこまでも続くひまわり畑、更には江戸時代の文人鈴木牧之(1770~1842)が初めて世に知らしめた秘境秋山郷と、ここは大人から子どもまで大いに楽しめる所ばかり。
 特に私が好きな場所は、毎年7月25日前後になると、深い谷から湧き上がるヒグラシの大合唱、そう天水島の棚田だ。これほど多くのヒグラシが、それも一斉に聞ける場所はここを置いて他にはないだろう。
その鳴き声を聞いていると本当に心癒される。ただ、今年はそのヒグラシも数が少ないようだ。これも温暖化の影響かも知れない。
 翌26日には「駅が温泉」の津南駅で湯船にゆったり浸った。10時の入場間もなく誰も入っていない。私ひとり、これほどの贅沢があろうか。満足のゆく旅であった。

2009年7月19日日曜日

再び「シモツケコウホネ」の里へ

 7月10日、約半年ぶりに東武日光線下小代駅から数分、周囲里山に囲まれた田園地帯で、今のところ世界でここにしか確認出来ないという天然記念物「シモツケコウホネ」を見に行って来た。前回は季節はずれということもあり残念ながら花は見ることはできなかったが、今回はわずか数十メートルの側溝におよそ百五十本の黄色い可憐な花を観賞することが出来た。
 このコウホネは葉や茎が水中にあり、花だけが水上に顔を出す。環境省のレッドデータブックで、近い将来に絶滅の危険性が高い「絶滅危惧種1A類」に指定されている。
 わずか1メートルに満たない水路にコウホネをはじめ、清流の証でもある梅花藻も見られた。また、私が踏み出すたびに足元に多くのトノサマガエルの子どもが水面に飛び込む。その姿が微笑ましい。更にはホトケドジョウやオハグロトンボなども確認出来た。こうした自然を大切にし、後世に残すことが私たちに課せられた使命だと思う。「シモツケコウホネと里を守る会」の方々の地道な活動に心から謝意を表したい。