2011年7月23日土曜日

楽しきかな バスの旅

 7月18日~20日 私は久々で観光バスの旅をした。
 日頃、飛行機、列車、船、レンタカーを使ったひとり旅が多い私が、今回はアクセスの悪い上高地、高山、白川郷、金沢、東尋坊、永平寺を訪ねるバスの旅に。阪急交通社企画による旅で、「一名様参加歓迎」の文字に惹かれたからだ。
 信州上田までの往復新幹線以外はすべて大型バスで、旅は快適そのもの。しかし、またしても雨男、台風男の面目躍如。大型台風の接近が気になる旅でもあった。結果的には二日目の東尋坊、金沢の夜に降られたくらいで、奇跡的に影響の少ない旅だった。一番気になった上高地などは、雨も降らずに時折、穂高山頂も見える幸運さだった。旅程も宿は金沢2泊で比較的ゆったりと組まれたもの。

 今が旬の万寿貝を探して金沢市内の居酒屋を数軒はしごした。この万寿貝、十年ほど前になろうか、やはりこの金沢駅構内の居酒屋で初めてお目にかかったもので、淡いピンクの線が特徴の美しい二枚貝。能登半島周辺から秋田方面の日本海で獲れるらしい。今、構内の居酒屋はない。
 二日目の夜、セントラルホテルのレストラン「彦星」でやっと対面できて嬉しくなった。志摩のヒオーギ貝同様に家に持ち帰った。ヒオーギ貝は、ちょうどホタテ貝を小ぶりにした、色が黄色や赤といった少し派手な貝だ。

 35年ぶりの上高地は、過日の大崩落事故から今は突貫工事で緊急避難的に片側通行になっていた。眼前の穂高は雲に覆われてはいたものの、時折、頂上まで見渡せた。梓川の流れとともに、日本にこれほどの桃源郷は他にはないのではなかろうか。私は何も考えず素晴らしい環境に魅入ってしまって、気付けば1時間ほどの「時」が過ぎていた。
 今回の旅で気付いたことは、どの観光地も中国、韓国からの団体が多かったこと。日本人は主としてディズニーランド型観光(造形美を重視)を好むが、彼らは大自然を愛でる自然派だ。そうしたすみ分けがなされたことは大変残念だ。日本人はもっともっと大自然を愛すべきだ。だって人間そのものが大自然の一部なのだから。特に将来を担う子どもには自然派になって欲しい。こうしたことが近年、日本人のあらゆる思考の中でも顕在化するようになってきた。

2011年7月6日水曜日

佐渡へ渡る


 佐渡カンゾウ 幾年夢見し 祖国の地
(北朝鮮の拉致により、一瞬のうちに幸せを打ち砕かれた蘇我ひとみさん親子、幾年祖国の地を夢見て泣いたことだろう。心情を思うと、こうしたことはもう二度と起こしてほしくない。この美しい地球は北朝鮮だけのものではないのだから。)
6月25日、40年ぶりに佐渡へ渡った。台風が朝鮮半島に向かったとはいえ、あいにくの雨。両津港からレンタカーで佐渡一番の景勝地外海府へ。先端の弾崎灯台は映画「喜びも悲しみも幾年月」の舞台にもなった。灯台から二ツ亀、大野亀を経て尖閣湾方面へ。途中、大雨で滝のように水が山から落ちてくるところもあった。結局、車を降りることなく相川から再び両津にもどった。
 夜はやっと雨も上がり、宿近くの居酒屋に。ここで客はたった一人、なじみ客のようだ。ただこの方の奏でるコカリナ(オカリナではない。木で造った楽器)はなかなかのもので、「ふるさと」演奏にしんみりした。来年の薪能の情報も送っていただけることになった。佐渡に流刑になった世阿弥により、雅な能が伝来して500年。次回は必ず見てみたい。佐渡~信州松本へ。いつもの「蔵佳」へ。