2009年2月5日木曜日

36年ぶり「月と鹿」と対面

 昭和48年3月2日、関西本線のどこの駅だったか私は当時国鉄の蒸気機関車D51882、愛称名「月と鹿」に出会っている。今回、大和路に旅した途中、思い切って大阪府茨木市にある「真龍寺」に立ち寄った。
 実は、このお寺さんの境内にこの「月と鹿」が留置されている。風雨にさらされているため塗装が所々はげているものの、朝焼けの中の重量感ある車体は、今にも動き出しそうな迫力あるものだった。(写真参照)まるで私は昔の恋人にでも会ったような懐かしさと感動を覚えた。

 数十年ぶりに甘樫丘に立った。ここから見る大和三山(畝傍山・耳成山・天の香具山)は、悠久の時を刻んでいた。ただ周囲はビルが建ち街が新たに構成されていて以前の面影はない。飛鳥寺周辺だけがかろうじて往時の面影を留める。
 当日は石舞台を訪ね、その後長谷寺へ。その頃には日が傾いてきたので予定の法隆寺には寄らずその日の宿がある京都へ。夜はいつものように祇園、そして先斗町界隈を散策した。
翌朝、前述の「真龍寺」、そして再び奈良に入る。目的は法隆寺の「百済観音」と中宮寺「如意輪観音」だ。いつ来てもそして何度見ても飽きることはない。かえって来る度に両観音菩薩と対峙する時間が長くなっているような気がしている。古来、この両観世音菩薩はいかに多くの人を魅了してきたことか。

 5年ほど前になるが、名松線車内でお会いした画家の高田一三さん。今回の旅で一夜を提供していただき、奥様ともども楽しい時間を過ごさせていただいた。3月末に織姫新聞に、゛画家高田一三 放浪の絵師「雨さん」(横手雨情「横手由男氏」)を語る゛という記事を特集するので乞うご期待!